ワイタンギの日
ワイタンギの日
基本情報
歴史的背景と由来
ワイタンギ・デー(Waitangi Day)は、毎年2月6日にニュージーランドで記念される国民的な祝日です。1840年2月6日、北島北部のワイタンギで、英国王権を代表するウィリアム・ホブソンと、数百人のマオリの首長たちが、のちに「ワイタンギ条約(Te Tiriti o Waitangi)」と呼ばれる文書に署名しました。この条約は、英国王権とマオリの関係、統治権、土地や資源の保護などをめぐる基礎的な合意とされ、ニュージーランド建国の重要な出来事として位置づけられています。ただし、英語版とマオリ語版では「主権」などの訳語や意味に差異があり、すべての首長が同じ文書に署名したわけでもありません。
ワイタンギ・デーは当初、条約締結を祝う日として始まりましたが、20世紀後半以降は、植民地化の影響、マオリの土地権・文化・言語、条約上の約束がどの程度守られてきたかを考える日へと発展しました。1974年に全国的な公休日として「ニュージーランド・デー」の名称で導入された後、1976年に現在のワイタンギ・デーへ戻されました。今日では、祝賀だけでなく、マオリと王権、政府、パケハ(ヨーロッパ系ニュージーランド人)との関係を見つめ直し、対話と和解を考える日という性格も強く持っています。2026年のワイタンギ・デーは2月6日(金曜日)にあたります。
伝統、習慣、お祝いの方法
中心的な式典は、条約が最初に署名された北島のワイタンギ国立保護区で行われます。早朝の祈りや式典に続き、マオリの伝統的な大型カヌー「ワカ」の航行、ポーフィリ(来訪者を迎える正式な儀礼)、カパ・ハカの歌と踊り、演説、宗教的な祈りなどが催されます。マオリの首長、政府関係者、国王を代表する総督、地域住民などが参加し、条約の意義や現在の社会的課題について語り合います。ワイタンギ以外の各地でも、マラエや公園、学校、博物館などで文化行事や討論会が開かれます。
家庭や地域の集まりでは、家族や友人が屋外で食事を楽しみ、バーベキュー、シーフード、パイ、サラダのほか、地中のかまどで食材を蒸し焼きにするハンギが振る舞われることもあります。ワイタンギ・デーは、マオリ文化を紹介する音楽・工芸・語学イベントや、条約とニュージーランド史を学ぶ教育活動の機会にもなっています。一方、式典や抗議集会で政府の政策や条約履行をめぐる意見が表明されることもあり、単純な祭日ではありません。定型化した公式挨拶が一つに決まっているわけではありませんが、「ワイタンギ・デー、おめでとうございます」に相当する「Happy Waitangi Day」や、「キア・オラ(Kia ora)」というマオリ語の挨拶が用いられます。