ヨーロッパ戦勝記念日
対独戦勝記念日
基本情報
歴史的背景と由来
フランスの「ヨーロッパ戦勝記念日(Victoire en Europe、通称8-Mai)」は、第二次世界大戦におけるナチス・ドイツの降伏と、ヨーロッパにおける戦闘の終結を記念する祝日です。ドイツの無条件降伏文書は1945年5月7日にランスで署名され、戦勝は5月8日に正式に発効しました。フランスでは、自由フランスを率いたシャルル・ド・ゴール将軍が国民に向けて勝利を告げ、占領と対独協力、レジスタンス、解放をめぐる記憶と結び付いた重要な国家的記念日となりました。
フランスでは5月8日が戦後まもなく祝日として定められ、1953年に公休日として制度化されました。その後、歴史認識や対独関係をめぐる政策の変化から、ヴァレリー・ジスカール・デスタン大統領時代の1975年に祝日扱いが廃止されましたが、フランソワ・ミッテラン大統領の時代に1981年に復活しました。現在は、第一次世界大戦休戦記念日の11月11日や、第二次世界大戦のナチズム犠牲者を追悼する記念行事とともに、フランスの自由、共和国、平和を再確認する日として位置付けられています。2026年の5月8日は金曜日に当たります。
伝統、習慣、お祝いの方法
5月8日には、フランス各地の市町村で公式式典が行われます。市長や県知事、国会議員、退役軍人、レジスタンス関係者、軍人、学生、市民らが戦争記念碑や墓地に集まり、フランス国旗を掲げ、戦没者や解放のために犠牲となった人々へ献花します。大統領がパリの凱旋門を訪れ、無名戦士の墓に花輪を捧げる式典も重要な国家行事です。黙とう、追悼文の朗読、ラ・マルセイエーズの斉唱、軍楽隊による演奏などが一般的に行われます。
地域によっては、解放に関わった部隊やレジスタンスの歴史を紹介する展示、学校での平和学習、第二次世界大戦の証言会や記念講演も催されます。戦勝を祝う一方で、ユダヤ人迫害、民間人の犠牲、強制収容所、フランス社会に残った分断を忘れないことも重視されます。特定の祝い膳や全国共通の料理はありませんが、式典後に自治体の懇親会や地域の集まりが開かれることがあります。挨拶には「Bonne fête de la Victoire(戦勝記念日をお祝いします)」や、「En ce 8 mai, n’oublions jamais(この5月8日に、決して忘れないようにしましょう)」などの表現が用いられます。