アンザックデー
アンザックデー
基本情報
歴史的背景と由来
アンザック・デー(Anzac Day)は、毎年4月25日にオーストラリアとニュージーランドで追悼される重要な記念日です。「ANZAC」は、第一次世界大戦中の Australian and New Zealand Army Corps(オーストラリア・ニュージーランド陸軍部隊)の頭文字に由来します。1915年4月25日、連合軍の一員であった両国の部隊が、現在のトルコにあるガリポリ半島へ上陸しました。この作戦は軍事的には大きな犠牲を伴い、最終的に連合軍は撤退しましたが、兵士たちの勇気や仲間意識は、両国の国民意識形成に深い影響を与えました。
当初はガリポリ上陸作戦で亡くなった兵士を悼む日でしたが、時代とともに対象は拡大し、第一次世界大戦以降のすべての戦争・紛争、平和維持活動に参加した軍人、戦没者、退役軍人を追悼する日となりました。現在のアンザック・デーは、軍事的勝利を祝う日というよりも、犠牲、勇気、忠誠、仲間への責任を振り返り、平和の尊さを考える日として位置づけられています。2026年のアンザック・デーは4月25日(土曜日)にあたり、祝日としての代替休日の扱いは州・準州によって異なります。
伝統、習慣、お祝いの方法
最も象徴的な行事は、夜明け前から行われる「ドーン・サービス(Dawn Service)」です。これはガリポリ上陸時刻に近い早朝の静けさの中で、黙祷、祈り、朗読、献花、軍楽などを行う追悼式です。その後、各都市や町の中心部では退役軍人、現役軍人、軍関係団体、学生、市民などが参加するパレードが開かれます。シドニー、メルボルン、キャンベラなどでは大規模な行進が行われ、式典では「Lest we forget(忘れまい、決して忘れない)」という言葉が繰り返し唱えられます。ローズマリーの枝や赤いポピーを身につけたり、記念碑に花輪を捧げたりする習慣も広く見られます。
家庭や地域では、アンザック・ビスケットを焼いて食べることが定番です。オーツ麦、ココナツ、小麦粉、砂糖、バター、ゴールデンシロップなどを使う硬めで香ばしい菓子で、保存性が高いことから戦地の兵士や家族との結びつきと関連づけて語られています。また、式典後に友人や家族と集まり、軍人会(RSLなど)のクラブで軽食を取ったり、チャリティー活動に参加したりします。日常的な挨拶として特別な決まり文句があるわけではありませんが、追悼の場では「Lest we forget」や「We will remember them(私たちは彼らを忘れない)」と述べるのが一般的です。