先住民の日
先住民の日
基本情報
歴史的背景と由来
2026年のIndigenous Peoples’ Day(先住民の日)は、10月12日(月)に当たります。米国では、コロンブス・デーと同じ「10月の第2月曜日」に設けられることが多い日ですが、連邦法上の独立した休日として全国一律に制定されているわけではありません。コロンブスの大西洋航海を称える従来の記念日を見直し、ヨーロッパ人到来以前から北米で暮らしてきた先住民の歴史、文化、主権、そして植民地化による被害を可視化する目的で、州・市・大学などが採用してきました。
運動の背景には、先住民の権利回復と歴史教育を求める長年の活動があります。1990年にはサウスダコタ州がコロンブス・デーに代えて「ネイティブ・アメリカン・デー」を制定し、1992年にはカリフォルニア州バークリー市がコロンブス到着500周年に合わせて「先住民の日」を実施しました。その後、各地で名称や扱いが広がり、2021年にはバイデン大統領が大統領布告によってIndigenous Peoples’ Dayを公式に認めましたが、連邦休日としてのコロンブス・デーそのものは現在も存続しています。この日は、単一の「先住民文化」を祝うのではなく、米国に暮らす多様な部族国家・民族の固有性と継続的な存在を尊重する機会と位置づけられています。
伝統、習慣、お祝いの方法
祝い方は地域や部族によって異なりますが、先住民の講演会、歴史展示、映画上映、学校教育、文化ワークショップ、土地の承認(land acknowledgment)などが一般的です。部族の長老や文化継承者を招き、言語、口承史、工芸、音楽、舞踊について学ぶ催しも行われます。自治体によっては式典で先住民の土地と主権を確認し、寄付、ボランティア、先住民が運営する事業や芸術家への支援を促します。
地域のパウワウ(powwow)では、参加者が伝統衣装を身に着け、太鼓や歌に合わせて踊ります。ただし、パウワウはすべての先住民に共通する儀礼ではなく、部族ごとに意味や作法が異なるため、部外者には主催者の案内に従い、衣装や聖具を無断で触れたり、写真撮影を控える場面を尊重したりする配慮が求められます。食文化の紹介では、トウモロコシ、豆、カボチャ、野生米、サケ、バイソンなど地域に根差した食材が用いられることがあります。標準化された全国共通の挨拶はありませんが、「Happy Indigenous Peoples’ Day」や「Indigenous Peoples’ Dayをお祝いします」と表現し、特定の部族名を一括りにせず、学びと敬意を示すのが適切です。