オレンジメンの日
オレンジメンの日
基本情報
歴史的背景と由来
オレンジメンズ・デー(Orangemen’s Day)は、1690年7月12日(グレゴリオ暦では7月22日に相当)にアイルランドで起きたボイン川の戦いを記念する日です。この戦いで、プロテスタントのウィリアム3世(オレンジ公ウィリアム)が、カトリックの前国王ジェームズ2世を破り、イングランド、スコットランド、アイルランドにおけるウィリアム朝の基盤を固めました。現在の「7月12日」は、北アイルランドを中心とするプロテスタント系ユニオニスト社会で、政治的・宗教的な歴史を象徴する記念日として発展しました。
名称の由来となったオレンジ結社(Orange Order)は、1795年にアイルランドで結成されたプロテスタント系友愛団体です。カナダでは、特にニューファンドランド・ラブラドール州を含む大西洋岸地域に、19世紀初頭からアイルランド系移民やイギリス系入植者を通じて結社の活動が広がりました。同州ではオレンジ結社が地域社会、政治、慈善活動、移民コミュニティの形成に一定の影響を及ぼし、7月12日は「オレンジメンズ・デー」または「オレンジマン・デー」と呼ばれる地域的な休日・記念日となりました。2026年は7月12日が日曜日に当たり、地域の法令や勤務先の規定によっては、翌7月13日(月)に振替的に扱われる場合があります。
今日のカナダでは、全国一律の法定祝日ではなく、主としてニューファンドランド・ラブラドール州で認知される地域行事です。歴史的にプロテスタントとカトリックの対立、アイルランド系移民社会の分断、植民地政治と結び付いてきたため、現代の受け止め方には地域差があります。公的な祝祭というより、歴史的遺産や家族・結社の伝統を確認する日として位置付ける人も多く、参加や評価には配慮が求められます。
伝統、習慣、お祝いの方法
代表的な行事は、オレンジ色のたすきやリボン、帽子、バッジなどを身に着けた人々が参加する行進です。オレンジ結社のロッジが主催するパレードでは、オレンジ色の旗、ブラスバンド、太鼓、横断幕などが用いられ、ボイン川の戦い、ウィリアム3世、プロテスタントの歴史を象徴する意匠が見られます。地域によっては教会での礼拝、記念式典、墓地への献花、歴史講演、慈善活動なども行われます。
家庭や地域の集まりでは、夏のピクニック、バーベキュー、軽食、紅茶、焼き菓子などを楽しむことがあります。オレンジ色の衣服を着たり、旗や花で会場を飾ったりする一方、全国的に定まった祝祭料理や特別な贈答習慣があるわけではありません。ニューファンドランド・ラブラドール州の沿岸地域では、行進の見物と地域住民の交流が中心となり、行事後に家族や友人が集まる形で過ごすこともあります。
英語での一般的な挨拶には「Happy Orangemen’s Day」や「Happy July the Twelfth」がありますが、歴史的・宗派的な背景を持つ表現であるため、相手や地域の事情を考慮して使うのが適切です。観光客や外部の参加者は、行進を無断で妨げず、旗・記章・宗教的象徴を尊重し、北アイルランドやアイルランド系カナダ人社会に関わる複雑な歴史を踏まえて見学することが望まれます。