チュソク
秋夕
基本情報
歴史的背景と由来
秋夕(チュソク、추석)は、韓国で旧暦8月15日に祝われる代表的な名節で、日本の中秋の名月に近い時期にあたる一方、祖先を敬い、収穫を喜び、家族の結びつきを確かめる行事として発展してきました。「ハンガウィ(한가위)」とも呼ばれ、その起源については、新羅時代の宮廷行事「嘉俳(カベ)」に結び付ける説などがあります。古代からの農耕儀礼に、中国の中秋節や儒教的な祖先祭祀の影響が重なり、現在の秋夕の文化が形づくられました。
かつては農村社会における一年の収穫を祝う重要な節目でしたが、近代化や都市化が進んだ現在も、韓国社会を象徴する大型連休として大きな意味を持っています。2026年の秋夕当日は9月25日(金)で、前後を含む連休には多くの人が故郷へ帰省します。高速道路や鉄道、空港が混雑する「民族大移動」の時期としても知られ、家族や先祖とのつながりを再確認する国民的な祝日となっています。
伝統、習慣、お祝いの方法
秋夕には、家族が集まって「チャレ(차례)」と呼ばれる簡素な祖先祭祀を行い、果物、ナツメ、栗、韓国梨、魚、肉料理、酒などを供えます。墓を訪れて草刈りや掃除をする「伐草(ポルチョ)」や墓参りも重要な習慣です。代表的な食べ物は、米粉の生地に豆、ゴマ、栗などの餡を包み、松葉を敷いて蒸す半月形の餅「ソンピョン(송편)」で、家族で一緒に作ることもあります。地域や家庭によっては、チヂミ、カルビ、ジョンなどのごちそうも食卓に並びます。
人々は韓服を着たり、親族と食事や談笑を楽しんだりしながら、伝統芸能や民俗遊びに親しみます。農村部などでは、女性たちが輪になって踊る「カンガンスルレ」、綱引き、相撲に似た「シルム」などが行われることもあります。あいさつには「풍성한 한가위 보내세요(豊かなハンガウィをお過ごしください)」や「즐거운 추석 보내세요(楽しい秋夕をお過ごしください)」がよく用いられ、現代では親族への贈答品として果物、牛肉、食用油、健康食品などを贈る習慣も広く定着しています。