春節
春節
基本情報
歴史的背景と由来
フィリピンの春節(中国正月、Chinese New Year)は、同国の華人・中国系フィリピン人社会の歴史と深く結び付いた祝祭である。マニラのビノンド地区は、スペイン統治期の1594年に設けられたとされる世界最古のチャイナタウンとして知られ、中国系商人や移民、その子孫が商業・宗教・食文化を通じて地域社会を形成してきた。春節は中国系住民にとって新年の到来を祝う重要な節目である一方、現在では多くのフィリピン人が参加する、都市の多文化性を象徴する行事となっている。
フィリピンでは春節は毎年日付が変わる太陰太陽暦に基づき、2026年は2月17日(火)に当たる。フィリピン政府は華人社会との歴史的なつながりや文化的多様性を重視し、春節を特別休日として扱うことがあり、年ごとの休日区分は大統領布告で定められる。2026年は十二支で午年に当たり、干支の組み合わせでは「火の馬(Fire Horse)」の年とされる。春節には家族の結束、繁栄、健康、災厄を遠ざける願いが込められる。
伝統、習慣、お祝いの方法
代表的な開催地はマニラのビノンドで、春節の時期には街路が赤や金色の装飾で彩られ、獅子舞や龍舞、太鼓・爆竹を伴うパレード、文化公演が行われる。獅子舞は幸運を招き、邪気を追い払うものとされ、商店や家庭を巡って新年の繁栄を祈願する。寺院では参拝や線香を供える人々が見られ、家族や親族が集まって新年を迎える習慣も大切にされている。
食卓には、長寿を表す麺、魚、餃子に似た料理、果物、米菓のティコイ(tikoy、甘いもち菓子)などが並ぶ。ティコイは家族の結び付きを強める縁起物とされ、贈答品としても親しまれている。赤い封筒「アンパオ(ang pao)」にお金を入れて子どもや年少者に渡す風習も広く知られ、赤色は幸運と繁栄を象徴する。挨拶には、英語の「Happy Chinese New Year」や、中国語系フィリピン人社会で用いられる「Kung Hei Fat Choi(コン・ヘイ・ファッ・チョイ、繁栄を祈ります)」が使われるほか、家族と食事を共にし、新しい年の成功と健康を願うのが一般的である。