バレンシア州の日
バレンシア州の日
基本情報
歴史的背景と由来
バレンシア州自治州の日(Día de la Comunitat Valenciana)は、毎年10月9日にスペイン東部のバレンシア州で祝われる州の祝日です。1238年10月9日、アラゴン王ハウメ1世(スペイン語名ハイメ1世、Jaume I)がイスラム勢力の支配下にあったバレンシア市へ入城した出来事を記念しています。この征服によってバレンシア王国が成立し、のちのバレンシアの政治的・文化的アイデンティティーの基礎が形づくられました。なお、現在の祝日は単なる軍事的勝利の記念ではなく、長い歴史の中で形成された地域社会、バレンシア語、伝統文化をたたえる日として位置づけられています。
自治州の日としての制度的な意味は、1978年のスペイン憲法制定後、バレンシア州が自治権を発展させていった過程と深く関わります。バレンシア州政府はこの日を、州都バレンシアだけでなく、アリカンテ県・カステリョン県を含む自治州全体の共通の祝祭日としています。10月9日は、歴史的なバレンシア王国の記憶、地中海交易によって育まれた都市文化、農業や工芸、音楽、バレンシア語など、地域固有の遺産を再確認する機会です。2026年は10月9日が金曜日に当たり、週末と合わせて各地で記念行事や文化イベントが行われることが見込まれます。
伝統、習慣、お祝いの方法
当日は、バレンシア州旗であるセニェーラ(Senyera)を掲げ、州政府や自治体による公式式典、表彰、演説、音楽行事が開かれます。バレンシア市では、州旗の行進や市庁舎周辺での記念行事、伝統音楽の演奏、ブラスバンドやムイシェランガ(Muixeranga)と呼ばれる人間の塔の演技などが見られることがあります。地域によっては、歴史衣装をまとった行列、舞踊、花火、街頭コンサート、民俗芸能の催しも行われます。ムーア人とキリスト教徒の祭り(Moros i Cristians)は特にアリカンテ県などで盛んですが、10月9日の公式行事そのものとは別の地域祭礼として位置づけられる場合があります。
10月9日は、バレンシア市の守護聖人にちなむサン・ディオニス(Sant Donís、聖ディオニュシウス)の祝日とも重なります。このため、バレンシアでは「バレンシアの恋人たちの日」と呼ばれることがあり、恋人や家族が、色鮮やかな絹のハンカチを模した包みに入れたマジパン菓子の組み合わせ「モカドーラ(mocadorà)」を贈ります。果物や野菜をかたどった小さなマジパンは、バレンシアの豊かな農産物を表す縁起物として親しまれています。挨拶には、バレンシア語で「Bon Dia de la Comunitat Valenciana(バレンシア州自治州の日、おめでとう)」、または一般的に「Feliç 9 d’Octubre(よい10月9日を)」などの表現が使われ、スペイン語では「Feliz Día de la Comunitat Valenciana」と言うこともできます。