クリスマス
クリスマス
基本情報
歴史的背景と由来
スペインのクリスマス(Navidad)は、キリスト教におけるイエス・キリストの降誕を祝う12月25日の祝日です。ローマ帝国期にキリスト教が広まり、のちにカトリック信仰が社会と文化の基盤となったスペインでは、クリスマスは宗教行事であると同時に、家族や地域社会が結び付く重要な年中行事として発展しました。12月24日の「ノーチェブエナ(Nochebuena、クリスマス・イブ)」から祝祭の雰囲気が高まり、25日は親族が集まり、特別な昼食を囲む日とされています。
スペインのクリスマス文化は、カトリックの伝統に加え、各地方の風土や歴史を取り入れながら形成されてきました。キリスト降誕を再現する「ベレン(Belén)」の飾りは、18世紀以降とくに広く普及し、教会や家庭だけでなく、都市の広場や公共施設にも大規模な模型が設置されます。現代では宗教的意味合いが相対的に薄れた家庭もありますが、イルミネーション、家族の再会、贈り物、慈善活動などを含む国民的な季節行事として定着しています。なお、子どもの贈り物は伝統的には1月6日の「公現祭(エピファニー)」と三賢王(レジェス・マゴス)の日に贈られることが多く、近年はサンタクロースに当たる「パパ・ノエル」の習慣も広がっています。
伝統、習慣、お祝いの方法
クリスマス当日は、家族や親族が集まって昼食を楽しむのが代表的な習慣です。地域や家庭によって異なりますが、魚介類、ハモン・セラーノ、肉料理、ロースト料理などが食卓に並び、デザートにはアーモンドや蜂蜜を使ったトゥロン(turrón)、ポルボロン(polvorón)、マジパン、クリスマス菓子がよく食べられます。飲み物としてカバやワインが供されることも多く、食事の後には会話や歌を楽しみながらゆっくり過ごします。
家庭ではベレンを飾り、クリスマスツリー、照明、ポインセチアなどで室内を彩ります。教会では降誕を祝うミサが行われ、地域によっては24日深夜の「ミサ・デル・ガジョ(Misa del Gallo、鶏のミサ)」に参加します。スペイン語のクリスマス・キャロルであるビジャンシーコ(villancico)を歌ったり、都市のイルミネーションやクリスマスマーケットを訪れたりするのも一般的です。挨拶には「フェリス・ナビダ(Feliz Navidad、メリークリスマス)」が用いられ、年末年始までを含めて「フェリセス・フィエスタス(Felices Fiestas、楽しい祝祭を)」と声を掛けることもあります。