アパレシーダの聖母
アパレシーダの聖母
基本情報
歴史的背景と由来
ブラジルの「アパレシーダの聖母(Nossa Senhora Aparecida)」の祝日は、毎年10月12日に祝われる国民の祝日です。2026年は10月12日(月)に当たり、カトリック教会におけるブラジルの守護聖母を記念します。名称のアパレシーダはポルトガル語で「現れたもの」を意味し、聖母像が奇跡的に発見された伝承に由来します。
伝承によれば、1717年、サンパウロ州とミナスジェライス州の総督を迎えるために漁をしていた漁師たちが、パライーバ・ド・スル川で聖母像の胴体と頭部を別々に引き上げました。その後、網を投じると大量の魚が獲れたとされ、この出来事が信仰の始まりとなりました。像は褐色の聖母として崇敬を集め、やがてアパレシーダの聖母と呼ばれるようになりました。
信仰の中心となったアパレシーダ大聖堂は、現在ブラジル有数の巡礼地です。1930年、教皇ピウス11世はアパレシーダの聖母をブラジルの守護聖母と正式に宣言しました。1980年には教皇ヨハネ・パウロ2世が大聖堂を奉献し、2017年には像の発見から300周年が祝われました。この祝日は、宗教的記念日にとどまらず、ブラジルの歴史、民衆信仰、家族の結びつき、国民的アイデンティティを象徴する日となっています。
伝統、習慣、お祝いの方法
祝日の中心となるのは、アパレシーダ大聖堂や各地の教会で行われるミサ、ノヴェナ(9日間の祈り)、ロザリオの祈り、聖母像を掲げた行列です。多くの信者は徒歩、自転車、バスなどで巡礼し、ろうそく、花、写真、感謝の手紙などを奉納します。大聖堂では、病気の回復、家族の守護、願いの成就などへの感謝を表す奉納品が捧げられ、教会周辺では賛美歌や祈りが続きます。
家庭では、聖母像の前で家族そろって祈り、テレビやインターネットで中継される祝祭ミサを見ながら過ごす人もいます。全国的に統一された特別料理があるわけではありませんが、家族や親族が集まり、地域のブラジル料理、米、豆、肉料理、パン、菓子などを囲む食事がよく行われます。10月12日は「子どもの日(Dia das Crianças)」でもあるため、宗教行事と子どもへの贈り物、家族のレジャーが重なることも特徴です。
代表的な挨拶や掛け声には、「Viva Nossa Senhora Aparecida!(アパレシーダの聖母万歳!)」や「Nossa Senhora Aparecida, rogai por nós.(アパレシーダの聖母よ、私たちのために祈ってください)」があります。信者は「Feliz Dia de Nossa Senhora Aparecida!(アパレシーダの聖母の日をお祝いください)」と声を掛け合い、青と白を基調とした聖母のイメージ、メダイ、ロザリオ、聖母像などを身に着けたり家庭に飾ったりします。