黒人意識の日
黒人意識の日
基本情報
歴史的背景と由来
ブラジルの「黒人意識の日(Dia da Consciência Negra)」は、毎年11月20日に黒人の歴史、文化、尊厳、権利を考える記念日です。2026年は11月20日(金)にあたり、日本の元号では令和8年に相当します。この日は、17世紀に植民地ブラジルで最大級の逃亡奴隷共同体(キロンボ)であるパルマレスを率いたズンビ・ドス・パルマレスを記念する日として定着しました。ズンビは1695年11月20日に殺害されたとされ、その生涯と抵抗は、奴隷制に抗したアフリカ系ブラジル人の象徴となっています。
この記念日は、1970年代に黒人運動家や研究者が、奴隷制度廃止を象徴する5月13日ではなく、黒人自身の抵抗と主体性を示す11月20日を重視したことから広まりました。2003年には学校教育でアフリカ系ブラジル人の歴史・文化を扱うことが制度化され、2011年に全国的な記念日として法制化、さらに2023年制定の法律第14,759号により国民の祝日となりました。したがって2026年の黒人意識の日は、ブラジルの奴隷制、構造的人種差別、アフリカ系ブラジル人の貢献を学び、多文化的な社会のあり方を考える全国的な祝日です。
伝統、習慣、お祝いの方法
黒人意識の日には、学校、大学、自治体、文化施設、市民団体などで、歴史講座、映画上映、講演会、写真展、読書会、パネル討論、詩や音楽の公演が行われます。テーマはパルマレスとズンビの歴史だけでなく、奴隷制の記憶、現代の人種差別、アフロ・ブラジル文化、黒人女性の役割、宗教的多様性、教育と雇用における平等など幅広いものです。都市によっては行進や抗議集会、アフリカ系ブラジル人の起業家・芸術家を紹介する市場も開かれます。
祝祭では、カポエイラ、サンバ、マラカトゥ、ジョンゴ、アフロ・ブラジル系の太鼓や舞踊が披露され、アフリカ系ブラジル人の歴史と結びついたアカラジェ、ヴァタパー、カルル、フェイジョアーダなどの料理も親しまれます。髪型や衣装、黒・赤・緑・黄などの色彩を通してアフリカ系のルーツを表現する人もいます。定型化した唯一の挨拶はありませんが、「Feliz Dia da Consciência Negra(黒人意識の日をお祝いします)」や「Viva Zumbi dos Palmares(ズンビ・ドス・パルマレス万歳)」といった表現が使われます。ただし本来は単なる娯楽の日ではなく、アフリカ系ブラジル人の文化を尊重し、差別撤廃と社会的平等への取り組みを確認する日とされています。